「あれ?深瀬先生、待って下さいよ。あ、お前達は少しここで待っててくれ。学校に報告してくるから。それから大丈夫とは思うが一応駅まで送るから。」
そう言うと、がんちゃんはバタバタとゴクセンを追いかけて行ってしまった。
………ふぅぅ。
俯いたまま、深く溜め息をついた。後悔が胸に渦巻いていて苦しかったから。
どうしてうまく伝えられないんだろう。本当に先生が来てくれて嬉しかったのに…。
「…ごめんね。」
向かいのベッドにいる杏華ちゃんから、ポツンと呟かれた謝罪にびっくりして顔を上げた。
「え?何が?」
「ホントごめん!ああいう手合いに逆らっちゃダメだってわかってるんだけど、あんな風に他人をバカにしきった目をされちゃうとつい無駄に闘争本能に火がついちゃって…。」

