その後ろ姿が見えなくなっても杏華ちゃんと握りあった手が離せなくて、
「…ふぇ。」
二人で道に座り込んでしまった。
「大丈夫か?」
驚いたゴクセンとがんちゃんに支えられても、足に力が入らなくて立ち上がれない。
首を横に振るばかりで、体が寒くもないのにガタガタ震えて止まらない。
「仕方ないなぁ…」
ゴクセンとがんちゃんは苦笑いをすると、ゆっくり固まっている手をほどいて…杏華ちゃんはがんちゃんに、私はゴクセンに抱き上げられた。
「ちょっ…え?先生、下ろして。…や、」
「諦めて黙って運ばれとけ。腰が抜けて歩けないんだろ。」
「……はい。」
蚊の泣くような声で辛うじて返事をするのが精一杯。
先生が触れてる背中が、肩が、熱を持ってるみたいに熱い…。

