見ると、がんちゃんとゴクセンが校門から出てくるところだった。
できるなら素早く先生達の陰に逃げ込みたかったけど、足がすくんで動かない…。
その場に立ちつくしていると、急に視界が真っ白でいっぱいになった。それはゴクセンの白衣が目の前に広がっていたから。
がんちゃんとゴクセンは私達とヤの人の間に入り、険しい声で話していた。
「先程から当校生徒に校門の外で話しかけているのはあなた方ですか?よろしければ代わってお伺いしますが。」
厳しい声でゴクセンが一方的に話している中、ヤの人達は何も言わずゴクセンを上から下までジロジロ眺めると
「いや、いい。用は済んだ。」
答えたスーツの男は、相変わらずニヤニヤ笑いを顔に貼りつかせていた。
「では、お引き取りください。」
ゴクセンが駅に向かう道を促すと、
「あぁ、邪魔したな。」
ヤの人達は意外にあっさりと帰っていった。
……なんだったんだろう?
あの人達が聞きたかったことって…?

