スタッカート

「大地もさ、親父さんと凄い喧嘩してたよ。俺の家まで聞こえるくらい。それでもこの街に残れたんだから、アイツは本気でジャズやりたいんだろうな」


「君はどう?」と、真澄さんに聞かれたような気がした。


大地のことだ。


私が入試に失敗したことも話したんだろう。


だからこそ、真澄さんの言葉が私を揺らめかせる。


お客さんの拍手で我に返った。