「ただいま」


「お帰りなさいませ」


学校から帰ると、家政婦の栗原さんが出迎えてくれた。


「雪乃さん、郵便来てましたよ」


「誰から?」


「S芸術大学です」


そう言って栗原さんはエプロンのポケットから封書を取り出し、私に差し出す。


「ありがとう」


私は階段を駆け上がって自室に入った。