「馬鹿馬鹿しいな・・・。」
そこまで思考をめぐらせて思わず口に出た。
『うん?』
うまく聞き取れなかったのか、聞き返す百合。
「いや・・・馬鹿馬鹿しいってな・・・。」
『また、すぐにそういうコト言う・・・キリトの悪い癖だよ』
「いや、でも馬鹿馬鹿しいだろう?こんなこと・・・。」
人を機械に変え、戦わせる。
もはや・・・そんなもの・・・・戦争ではない・・・・・・・・。
『だけど、そのおかげで私はこうしてキリトと会話ができる。』
それは本当に嬉しそうな声。
あの頃の純粋で穢れを知らない百合を思い出させる声だった。
「・・・・・・・死にたいんじゃなかったのか?」
『それと、これとは話が別だよ。』
「そうか・・・・・・・・・女心は難しいな・・・。」
心から出た言葉。
『男が理解しようというほうが無理なのです。』
口にしてクスクスと笑う百合。
いや、お前の心は同性だって理解しろというほうが無理だろう・・・。
死にたいと言ったり・・・一緒にいたいと言ったり・・・。
統一感がないのは、昔からだな・・・。
まったく・・・。
「それじゃあ、俺、そろそろ時間だから行くわ。」
ため息と共に、キリトは椅子から立ち上がる。
電源を落とそうと思ったが、それぐらいは彼女自身でもできるので、やめた。
非人道的科学は時代の性・・・。
俺も、戦争が終わったら、A級戦犯として裁かれるのだろうか・・・。


