「まぁ、一応俺は、お前の管理責任者でもあるからな・・・。」


 口にしながら、ポケットからタバコを取り出すキリト。


 一息。


『一応、ここ禁煙なんだけど・・・』


 あれ?


「お前、いつの間に視覚機能がついたんだ?」


 絶対ばれないと思っていたのに・・・。


『いや、センサーに煙反応出ているから・・・早く消さないと、火災報知機が鳴るよ。』


 それはまずい・・・。


「それは、どうも・・・。」


 キリトは仕方なしに、タバコを靴の裏でもみ消すと、吸殻を携帯灰皿の中に捨てる。


 先ほど口にしたとおり、YURIには視覚機能がまだついていない。


 『まだ』・・・というのは、当然、これから先、彼女に視覚機能がつく予定があるというコトだ・・・。


 だけど・・・・・・・・それは、同時に、YURIが・・・百合でなくなることを示している・・・・。


『いい加減、禁煙したら?』


 百合の言葉。


 何を言い出すんだ、こいつは・・・。


「気が向いたらな・・・。」


『また、そんなこと言って、長生きできないよ。』


 そんなもの・・・。


「毛頭する気はねぇよ・・・。」


 できることならば、今すぐにでも死んでもかまわない・・・。


 キリトは、心から思っていた。


『自殺願望ってヤツですか?』


「それは、お前だ。」


 何を言ってるのやら?こいつは・・・。