「分かったよ。まぁできる限り、頑張ってみる。」


『期待せずに待っています。』


 そういうと、百合は自分から、おやすみなさいと口にしてコンピューターの電源を落とした。


 彼女自身自らの意思を持って稼動できる時間は限られている。


 規制された電力供給、統制された管理体制。


 ・・・・・・・・・・・人工知能となった彼女に、自由など・・・・・存在しない・・・・・・・・・。


「あぁ、お休み・・・・。」


 すでに電源が落ちたコンピュータに挨拶をすると、キリトは人工知能室を後にする。


 一歩外に出ると、そこに広がるのは所狭しとコンピュータが置かれていた人工知能室とは違い、理路整然としている、どこまでも続いている廊下。


 もう、ここは禁煙ではない。


 キリトは歩きながらポケットからタバコを取り出し火をつける。


 一息。