「悪い・・・な・・・。」
あやまるしかできない自分が情けなかった。
『アハハハ・・・何、真剣に受け取ってるのさ、冗談だよ。』
分かってるよ。それぐらい・・・・。
「でもさ・・・。」
『キリトが、気にすることじゃないよ・・・そうだな・・・「身体」がかなわないんだったら、私は百合の花が欲しいな・・・』
・・・・・・・花?
「また、高級品を。」
人類が海底に住みだしてから、食用ではない観賞用の花は高級品になった。
当たり前だ。
植物が育てられる環境は限られる。
少ないプラントには食用植物を植えるのは道理といえる。
ましてや、これから冬になろうとしている季節に百合なんて・・・・。
『別に、無理ならいいよ。』
「いや・・・そうじゃないけど、だけど、どうして百合なんて?」
『深い意味はないよ。何となく・・・ただ、何となく私と同じ名前の花が見たかっただけなんだ。』
・・・・・・・・・・・『何となく』・・・・か・・・・・・・。
お前が人間だった頃から、その口癖は直ってないんだな・・・・・・・。


