【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ


「悪い・・・な・・・。」


 あやまるしかできない自分が情けなかった。


『アハハハ・・・何、真剣に受け取ってるのさ、冗談だよ。』


 分かってるよ。それぐらい・・・・。


「でもさ・・・。」


『キリトが、気にすることじゃないよ・・・そうだな・・・「身体」がかなわないんだったら、私は百合の花が欲しいな・・・』


 ・・・・・・・花?


「また、高級品を。」


 人類が海底に住みだしてから、食用ではない観賞用の花は高級品になった。


 当たり前だ。


 植物が育てられる環境は限られる。


 少ないプラントには食用植物を植えるのは道理といえる。


 ましてや、これから冬になろうとしている季節に百合なんて・・・・。


『別に、無理ならいいよ。』


「いや・・・そうじゃないけど、だけど、どうして百合なんて?」


『深い意味はないよ。何となく・・・ただ、何となく私と同じ名前の花が見たかっただけなんだ。』


 ・・・・・・・・・・・『何となく』・・・・か・・・・・・・。


 お前が人間だった頃から、その口癖は直ってないんだな・・・・・・・。