それから、どれぐらいの時がたっただろう。


 所要時間、5分。


 俺の作ったコンピューターウィルスは、完璧だった・・・。


 ・・・・・・・・デリート完了。


 人工知能・・・・削除・・・・・。


 ・・・・・・・・バイバイ・・・・・・・・・百合・・・・・。


「バイバイ・・・百合・・・・。」


 俺は、口にして最後に大きく涙を流した。


 それから、彼女の言うとおり、コックピットから這い出ると、百合の機体の下を探る。


 そこで見つけたのは、綺麗な綺麗な・・・白い花・・・。


 ・・・・・・・・『クリスマスには奇跡が起こるんだよ』・・・・。


 あぁ・・・そうだな・・・。


 こんな季節に、百合の花が見れるなんて・・・。


 ・・・・本当に綺麗だ。


 俺は、その綺麗な花を彼女の言うとおり、紅薔薇の上に置いた。


 紅い機体に、その白い花はとても・・・綺麗だった・・・。


 だから、それを見た俺は・・・もう一度、不覚にも舞鶴とスラムの男がいたにもかかわらず、涙を流してしまったんだ・・・・・・・。