∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜

 

久しぶりにハァハァ言いながら走り回り、僕は改めて太陽の気持ちよさを体で感じた。


太陽って普段はあまり意識しないけど、意識するだけでこんなにも気持ちがいいものなんだな。



「そうだ、昨日シロが僕に会いに来てくれたんだよ」

僕は昨日の出来事をショコラに報告した。

「シロが? 珍しいな」

「僕といるのが好きだって」

「本当か? あいつに感情が芽生えた!」

「僕、なんか嬉しかったよ」

「簡単に言うけど、多分すごいことだぜ。あいつは今まで、土手と家を往復するだけの男だったんだからな」

だけど、僕は同時に苦い気持ちも思い出し、

「ハァ……」

とため息をついた。

「僕、シロに優しくされて反省したよ。僕って本当に薄情だなぁって」

「いいんじゃないか? とにかくお前はシロをやる気にさせたんだ。結果オーライさ。気にするな!」