∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜

 

 公園に着くと、ショコラは既にベンチにいた。

ショコラも太陽に体をさらし、横に長ーくなっていた。

僕が近付くと驚いたように起き上がったけれど、僕だとわかると、“何だ”という顔をした。



「一週間ぶりなのに、冷たいなぁ」

僕はふてくされて言った。

ショコラは、

「ずっと家にいただろ? 何だか体の調子がイマイチなんだよ。悪く思わないでくれ」

と、何とも冴えない様子だった。



確かに一週間も太陽を浴びないと、僕たちは調子が悪くなるかもしれない。

それでも、僕は元気だったので驚いて、

「えぇっ? 大丈夫かい? 家に戻った方がいいんじゃないかい?」

と叫んだ。

ショコラは視線だけを僕に向けて、

「だーかーらー、俺は今、すごーく日の光が浴びたいの!
あぁ! おまえと話してたら、ますますオカシクなるな」

と言いながら起き上がり、更に長ーく伸びをした。


何日ぶりに会っても、僕たちは、相変わらず僕たちだった。