∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜

 

 しばらくして、シロが来た。


 僕はその気配で目を覚まし、寝転んだまましっぽを振った。


 シロは僕のすぐ横に座り、僕の背中を撫でた。

「今日もあったかいなぁ……なぁ? クロ」

 シロはいつものお菓子を僕の前に広げながら、

「気持ちいいけど。――俺、こんなとこでボーっとしてていいわけないんだよなぁ」

 なにやら独り言をつぶやいていた。



「俺、高卒だし、楽しめる事なんて全然見つかんなくてさ。
クロはクロで可哀相そうだけど、そういうのがなくて、ウラヤマシイなぁ」

 僕はお菓子を食べながら、“コウソツ”って何だ? 病気の名前か?

とか考えたりした。