でもたいていは、その土手を北に向かって走った。 そしていつもの公園でショコラと落ち合い、おしゃべりしたり、ふざけあったり、うたた寝をしたり……。 そして、日が暮れる前には土手を南に下って、シロのオバアチャンの家に帰って行くのだった。 このところ、僕は明け方の寒さで目を覚ます事が増えた。 辺りの稲田も、一面黄金色に輝いてきた。 新しい季節の到来? とても美しいけれど、物哀しいたたずまい。 何となく人肌恋しくなる季節に、僕はますますシロの家から離れがたくなってしまっていた。