∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜

 

 僕はシロをペロペロなめて目を覚まさせ、自転車に乗るよう促した。



シロ、僕の目をしっかり見て!

そうすれば僕が何を言いたいのか、分かるだろ?

僕も一緒に行くから、オバアチャンのところに行こう!

僕は必死に目で訴えた。



 シロに少しは伝わったのだろうか?

やがて、シロはゆっくりと起き上がった。

「そうだな。意地を張るのは、また今度にするよ」

そう言うと、自転車にまたがり、フラフラと南に向かって走り始めた。


僕はその後を、かけ足で追った。


追いかける僕を見て、シロは嬉しそうに微笑んだ。


ショコラは危なっかしい僕たちを心配そうに いつまでも見送っていた。




カミサマ、僕はすぐに戻ります。


僕たちを守って下さい。


僕たちを守って下さい……!