その日のバイトが終わったシロは、夜遅く、当たり前のように僕の小屋に帰ってきた。
次の日も、その次の日も……
オバアチャンの家には帰らなかった。
シロは自分の服を何処かで洗濯してきて、あちらこちらに干した。
「バイトしててよかったよぉ……。さすがに社会人として、夏に風呂に入らんわけにはいかんからなぁ」
シロは自分の臭いを嗅いで、OKという顔をした。
石鹸の匂いと、少し残るガソリンの匂い。
僕は、
「ここはニンゲンが住むとこじゃないよ。きっと体を壊しちゃう。帰った方がいいよ」
と、シロに必死に訴えた。
だけど、そんな事を全く気に留めないシロは、すっかりここでのくつろぎ方を覚えていった。