――しかし、福岡での忙しさは想像以上だった。 実句のところに行きたくても、急にアポが入る。 接待へ連れまわされることも多い。 そんな会えない間に、俺は実句を見失ってしまったらしい。 仕事をきちんとする実句が好きだったのに、いつの間に、辞めてもいいなんて思ってたんだろう? 仕事が好きなことは知っていたのに、なぜ応援してやれなかったのだろう? あのガキや実句が言う通り、忙しいなんて、距離なんて理由にならない。