冷たい感触が、すぐに離れる。 目を開くと、大志くんが困ったように唇を噛んでいた。 「どうして、また避けなかったんですか?」 「大志くんのことが、好きだから」 大志くんが眉間にシワを寄せた。 「でも……結婚するんですよね?」 「しないよ……」 大志くんがさらに怪訝そうに眉根を寄せる。 「だって、さっきごめんって」 「やっぱり今までは、中途半端な状態だったから。それがごめん。 だけど、結婚はちゃんと断ったから」 私の言葉を聞いていた大志くんが、はぁぁと深く息を吐いた。