翌日は金曜日。 今日は仕事の終了とともに、ダッシュで駅に向かう。 途中で手土産のケーキを買うのも忘れない。 そして向かったのは――。 『ピンポーン』 ちょっと緊張しながらチャイムを鳴らすと、中から「はーい」という声と共に玄関の扉が開いた。 「あら! 実句ちゃん、どうしたの?」 出てきたのは大志くんのおばさん。 「急にすいません。こないだのタッパー返そうと思って」 「わざわざ良かったのに。せっかくだから上がってちょうだい」 予想通りのお誘いを受けて、私はお邪魔した。