吹奏楽部で、帰りが遅いはず。

もうすぐ大会があるらしいから。

だからあれは"似てるだけ"

そう思っていた。

「ただいまー」

家についた。

”おかえりー”の言葉は帰って来ない。

誰もいないのだろう。

ということは、玄関のカギをしめて

いないということになる。

あんな用心深いお母さんがカギをしめない

訳がない。

もしかして…倒れてる?

ないない。

とりあえず、靴をぬいで、リビングに

向かった。

お母さんはいない。

「キャハー…で…、えー」

2階から声がする。

誰?

恐る恐る階段を上った。