早く産まれてほしい…。 「男だっけ?」 「うん。そうだよ」 「名前決めてねぇなぁー…」 「ゆっくり考えたいな」 「そうだな」 京哉の眩しい笑顔が見えた瞬間、視界が歪み、激痛がはしった。 「美愛!?」 「痛い…痛いよ…けいやぁ…」 「陣痛か!?すぐ救急車呼ぶな!!」 「ん…うぅ…う……」 意識…途切れそう…。 痛い…痛いよ…。 救急車が来たのか、あたしは運ばれたのを、かすかに覚えていただけだった…。