---カタンッ--- 赤いポストに軽い音が微かに響いた 「これで67通目かぁ…」 蒼が濃くなった空に呟いた言葉が空気に溶けていく (どうか届きますように…) 祈りを込めてポストに手を合わせる "はぁ"とため息を吐いてから 青々と茂っている街路樹の歩道を歩き始めた 毎月恒例となった月末の手紙 返信のない手紙を書き続けて もう5年にもなった 夏に向かっていく空を見ていると カノジョと出会った頃を鮮明に思い出させる ふと駅前のフラワーショップの "黄色"が目に入って足を止めた