「あすかちゃんも立ち止まって考えるのは、選択肢の1つなんだよ。どれかの道が決まらないなら、じっくり止まって考えればいいんじゃない?圭介くんとすぐにどうこうじゃなく、知り合って間もないし圭介くんの歩く道にあすかちゃんの足跡を1つずつ増やしていつかあすかちゃんも一緒に同じ道歩けるようになればいいんじゃないかな…って、話が下手で分かりにくいしクサイことばっか言ってごめんね(笑)」


知美は笑いながら言った。


足跡…。


何か、長い真っ暗なトンネルに出口の光が見えた感じだった。


私は自然と笑顔になった。


「私、圭介のこと好きでいていいんだよね?」


「うん」


知美が優しい顔で笑った。


「たまには期待したり、春子さんに嫉妬したり、そういうことしながら先を考えていいんだよね?」


「うん。1人で抱え込んで、間違えた道に進んで行かなければね」


また知美は優しく笑ってくれた。


「なんか、すごい元気になっちゃった!!ありがとう、本っ当にいい話聞かせてくれてありがとう!!」


私は飛び跳ねて、圭介が大好きだと叫びたいくらい、モヤモヤが吹き飛んだ気分だった。