「で、何の話だったっけ?」 「もう……、絵が売れてるみたいだねって言ったの!」 怒った時に頬を膨らます仕草もそっくりだ。 「あぁ、お陰様でね。やっと軌道に乗り始めたよ」 「今してる個展だって、人がいっぱい入ってたしね」 「良く知ってるね、まるで来てたみたいだ」 そう言って僕は頼んだコーヒーに口をつける。 かなり苦い、失敗したな……、暑いんだしたまにはアイスコーヒーにすれば良かった。