涙が乾いてから、 あたしは松永と教室を出た。 松永は片方の手で松葉杖をつき、 もう片方の手で あたしの手とつないだ。 ―幸せ者っ/// 「ねぇ」 「ん?」 「入学式後のLHRのとき、 あたしと話したの覚えてる?」 「…あー、 うん。」 「最後、 あたしに何言おうとしてたの?」 「マネージャー… 野球部のマネやってくれないかなって思った」 「そんなこと思ってたん!?」 「うん。 やってくれない?」