途中に、霧立ち込めるこの町で、私は姫を見失った。
「ど、どうしようチェシャ猫…」
チェシャ猫に問えば、緊張感のないニンマリ顔。
「…大丈夫さ」
するとチェシャ猫は、私より前を歩き出した。
私は必死に後ろをついていく。するとそこには一軒の民家があった。
そこは、この世のものとは思えないほど静かで…。
私は、恐ろしさに身を震わせた。
そして、屋敷に近づくにつれて香る、鉄臭い匂い。
…血?
屋敷の玄関の前にたてば、そこはとてつもない血の匂いがした。
チェシャ猫が、私にドアを開けるように促す。
私は、屋敷の扉に両手を添えて、思いきり、
押し開けた…。
「!」
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