「殿、お呼びでございますか?」

「政子か、入れ」

仕事が一段落着いたので、わしは政子を呼んだ
「姫は?大姫はどうした」

「あの子は今日も義高殿と一緒に遊んでいるわ」

フンッ…

ずっと義高といるのか

全く、少しは自分の立場を考えようとはせんのか

「政子義高が鎌倉に送られた理由は分かっているな?」

そう言うと政子は少し考えて

「………ええ、分かっております。でもそれはもしもの時でしょ?貴方様の従兄弟であられる義仲様との関係が悪くならない限りは心配はいらないのでは…」