「よし。ここまで来ればもういいだろ」 そう言ってやっとあたしから離れてくれた。 何がどうなっているのか未だに理解出来ないあたしは ただ先を歩くあの人の背中を見つめる。 「あの、」 とにかく何か喋らないと。 少し先を歩く背中に向かって声をかけた。 「昨日、あの子に頼まれたんだよな、どーか助けてやってくれってさ」 ゆっくりと振り返ってにっこり笑う。 「すみませんでした・・」