甘い声で囁いて





「それに俺はお前の大好きな“響”じゃねぇし」




「分かってるっも、ん」




涙が勝手に溢れる。



「でも、それでも夢を見たいんだもん!!」


「は?夢?お前頭おかしいんじゃねぇの?」



おかしい、のかもしれないけれど。


それでも、あたしは..



ぎゅっと拳を作って男の人を睨むと走ってお店を出た。



後ろで美羽ちゃんの声が聞こえたけど


今のあたしに振り返ることなんか出来なかった。