甘い声で囁いて





「好きな人、ですか?」




「そう。君の好きな人。カッコいいんだろ?」



本当にいきなり、この人は何を言うんだろう?


でもそれに驚いただけで、すぐに返す言葉は決まっている。




「もちろん、あなたよりも素敵な人です」




あたしの声に後ろにいた女の子達がざわざわ騒ぎ出した。



「そんなの絶対にあり得ない!!」



「玲くんよりもカッコいいわけないって」