甘い声で囁いて



何とかそこまで口に出来たのに。加宮さんはあたしを見ることなく家を出て行った。




「まって、待ってよ、あたし..あたし、加宮さんが、好きなのに!!」



言えなかった



あたしの気持ちが、寂しく玄関に響いた。



「あた、あたしは..かみ、やさ..」


ぽろぽろと涙が溢れていく。



「みゅう」


後ろから声がして振り返ると、歪んだ視界から美羽ちゃんが見えた。



「あたし、かみやさんが..好きなのにっ..」




そこまで言ったのと同時に



「あいつなんかしらねぇよ。マジできもいし」


あたしは全てを思い出した。