甘い声で囁いて




「あ、悪い」


お兄ちゃんが携帯を取り出して部屋を出て行く。



この人と二人きりになりたくない!


早く出て行ってよ!!


そう思っていたその時


急に手がポンっと頭の上に乗った。


驚きながら見上げてみると



「あんま兄ちゃんに心配かけんなよ」


さっきとは違った真面目な表情で言うと


加宮さんも部屋を出て行った。


「分かって..ますよ」


言われなくたって。