甘い声で囁いて




「あたしは・・」



だから、なのかな?


「あたしはお兄ちゃんに結婚してほしい」


素直に声がでてきた。


「みゅう、お前まで」



「ね、美弥さんと結婚してよ!あたしにはわからないよ!何であんないい人と結婚出来ないの?」



「お前には関係ないだろ!!」


ばんっとテーブルを叩いた。


いつも優しくて

ちょっと困ったような顔をして

でもちゃんとあたしの思ってることを一番考えてくれたお兄ちゃんが怒ってる。



そんな表情を見るのは初めてで。


体がぶるっと震えた。


でもここで絶対に負けない。


「そうだよ、関係ないよ。でもいつもお兄ちゃんに助けてもらってばかりなんだもん!
何とかしたいって思うじゃない!!」


あたしも負けずにテーブルを叩く。