甘い声で囁いて




挨拶を済ませるとすぐに立ち上がってスリッパをパタパタ鳴らしながら
ソファーに置いてある鞄を持ち玄関に向かう。




「悪い、もうオレ行くから」


「うん、いってらっしゃい」




サラリーマンの朝は本当に大変なんだな・・



靴を履いてドアに手をかけたお兄ちゃんを見送りながら
そんな事を思っていると勢いよく振り返っていつも通り心配症の言葉を残していく。




「ちゃんと戸締りしろよ」



「何かあったら連絡しろよ」



「メールでもいいからな」




「虐められたらすぐに言うんだぞ」