あたしが口を開く前に、



『結城、なんかなかった』


真由美の方から聞いてきた。



どうやら、浩樹が迎えにきたとき、龍司も一緒に乗ってきていたらしい。



あたしの家を教えろと言われ、断るとすごい剣幕で脅されて、教えてしまったらしい。



『怖かった…』



真由美は泣いた。



あんなに優しそうだった浩樹も別人のようだったと。


あたしは何があったかは言わなかったけど、


『もう、あんな奴らに関わるのはやめようね』


とだけ言った。




『うん…ごめんね結城…』


真由美は、あたしの目の前で、浩樹の番号を削除した。