『結城、どうしたの??うで痛いよぉ』



その声であたしはやっと足を留めた。



ずいぶん歩いていた。



『ほんっとヤナ奴だった!あんな奴らとカラオケやだよ』



『えー、なんかいい人そうだったけどなぁ、あたし番号交換したよぉ』



『どこがよ?だいたいさぁ、ナンパすんなら自分で声かけてこいよって感じじゃん。』



『あんな恐そうに見えて意外と照れ屋なのかもょ、かわいぃじゃん』



『あたしは絶対ヤダ!』



『結城がイヤなんじゃしょうがないかぁ。気を取り直して二人でいっちゃお!』



『行くぞー!』




時間を忘れて、盛り上がり、ハシャぎまくった。





外にでると、もうすっかり朝になっていて、出勤途中のサラリーマンなんかが目についた。


時計を見ると時刻はAM7時半。



眠いなんか通り越して、まだまだ遊べそうな気分だった。



そのときには、龍司というムカつくやつなんかのことは、頭から完全に消えていた。