「ねぇ、最後にいつどこで使ったか、もう一回よく思い出してよ。」

アンタとアタシは、夕暮れ時に二人きりで教室にいた。

…だけど全然ロマンチックじゃない。

「教室のハズなんだけどなぁ~。」

「あ、これ!?」

アタシはアンタに、一本のペンを差し出した。

「お!?…っとぉ………違う。そういう青じゃなくて、何かもっとこう…事務的な青!!」

アタシは思わず吹き出した。

「何それ!?事務的って…てーか、じゃあこのペンは誰のなのよ?」

「うるさいなぁ!!とにかく事務っぽい感じの青色なんだよ!!」

「あ、もうこんな時間?帰っちゃおっかなぁ~。」

「わぁ~!!ごめんって!!今度ジュースおごるからッ!」

クスクス笑いながら足元を見ると、誰かの机のふもとに、一本のペンを見付けた。



ああ、これはまさに





事務的な青色だ。





チラリと後ろを見ると、アンタは一生懸命探してる。

━━━━━━しばらく、
まだ探してるフリしてよかな。



アンタには悪いけど、
もうちょっとだけ…
だから、さ。