見渡してみると、そこには俺達のようなカップルが沢山いた。
「ここ、カップルばっかだな。」
「当たり前でしょ♪ここカップル専用のメニューがあるんだもん♪」
「だから、俺を連れてきたのか。」
「うん★彼氏とじゃなきゃダメだもーんっ」
そう言って列に並ぶ姿を愛おしく感じた。
「お次でお待ちのお客様どうぞ。」
店員の声がして、レジへと歩いていく。
「カップル様ですね。こちらのメニューをどうぞ。」
「ありがとうございまっ……」
店員の顔をみた瞬間、姫乃が顔を歪めた。
「愁…苺のパフェ頼んで。」
そう小さく言って俺の後ろにピタッと張り付いた。
「苺パフェください。」
「かしこまりました。あちらのテーブルでお待ち下さい。」

