出会いの高速道路

「どうでしょう? わたしは自分では正常だとは思いますけど、周りの人から見れば、おかしいのかもしれませんね」

彼女はコロコロと笑う。

サービスエリアを見つけて、俺はほっとした。

彼女は見た目はとても素敵で、魅力的だ。

しかし中身がおかしいと言うより…純粋過ぎる気がした。

「あの、よろしかったら、何か一緒に食べません? 家族が迎えに来るまで時間かかりますし、お礼に奢ります」

「キミ、未成年だろ? 年下に奢ってもらうのはなぁ」

「う~ん…。あっ、これならどうでしょう? 後から来るわたしの父に払わせるんです。それなら構わないでしょう? 後からお礼に行くのも、重苦しいと思ったんですけど…」

…確かに後から家に来られても、ちょっと困るな。

「それじゃあ、ごちそうになるよ」

「はい♪ お好きなだけ、食べてくださいね」

俺は車を降りて、食堂に彼女と向かった。

「今のサービスエリアって、豪華になりましたよね。24時間営業なんて、昔はありえませんでしたし」

「ホテルや温泉まである所まであるからね。まあ食事が取れるのは一人暮らしとしてはありがたい」

「独身なんですか? 恋人は?」

「仕事が恋人なんだ」

「まあ」

店内の光の下で見た彼女は、本当にキレイで可愛い。

そして食堂の店員が彼女を認識したことで、俺は安心していた。

やっぱり彼女は幽霊なんかじゃない。

「親子丼セットにしょうかな。味噌汁付きの」

「じゃあわたしも同じので」

店員に注文した後、彼女はケータイを開いた。

「それじゃあちょっと家族に連絡してきますね」

「分かった」

彼女はケータイを持って、店の隅へと移動した。

その間、俺は席を立ち、水をコップ2つに入れた。

ここでは水やお茶は無料だが、自分で取りに行かなければならない。

まあ店内に人はまばらだから、苦にならないが。