なのに、いきなり彼から電話。

「花見に行かない? 屋台いっぱい出ているしさ」

「うっうん…」

本当は告白できるまで会わないつもりだったけど…。

…惚れた弱味というヤツだった。

「お待たせ!」

「ううん、今来たところ」

桜の咲く公園で、待ち合わせをしてしまった。

屋台を見ながら、公園の中を歩いた。

「入学式、何着てくの?」

「一応スーツ。親が用意してくれたから。そっちは?」

「わたしも。でもスーツって制服と似てて、卒業した気にならないわよね」

何気ない会話をしながら、公園の奥にある池まで来た。

2人並んで座り、ちょっと休みを取った。

空は…雪が降るというか、雨が降り出しそうだった。

風も心なしか湿っぽいし。

ううっ…。告白のシチュエーションとしては、最悪だ。

「何か天気悪いな。今日は早めに切り上げる?」

…事態はもう、最悪の一途をたどっている気がする。

もっもういっそのこと、ここで告白した方が良いのかな?

「あっあのねっ!」

「うん?」

うっ…!

彼の無邪気な笑顔が眩しい!

「わっわたし…」

弱気になる心を奮い立たせ、真っ直ぐに彼の眼を見つめた。

「あなたのことがっ…!」

「あっ、ちょっと待って」

急にストップをかけられ、わたしは固まった。