「え〜、この数式は…Xが………」 先生の声が耳の奥にこだまする。 机の間にかかった橋は、たった50分限定。 彼の横顔を盗み見る。 ――真剣に、勉強している。 彼が、ふとこっちを見る。 私は咄嗟に、ノートで顔を隠した。