【完】とわの風、青空の君。

「な、なな、何!???」


突然の出来事に私は驚いた。


「ありがとう!」


キュウちゃんは、私の手を握りしめたままブンブン上下に大きく振った。


「な、何が?」


「風だよ、風!俺がホームラン打ったとき風が吹いたじゃん。まさに神風って感じ!」


キュウちゃんが眩しい笑顔を浮かべて私を見つめた。


「風子は、俺の勝利の女神だな」


そんな恥ずかしい台詞をサラリというキュウちゃんに、私の心臓はドキドキしっぱなしだった。


「風子、また応援に来てくれる?」


試合の後で、泥だらけで真っ黒なキュウちゃんの顔なのに・・・私にはキラキラと輝いて見えてしかたがなかった。