【完】とわの風、青空の君。

「風子!」


試合の後、帰りのバスを待っていると、後ろから声をかけられた。

自転車に乗ったキュウちゃんだった。

キュウちゃんは、私の横にキィっと自転車を停めた。


「おい、キュウどうした?行かないのか?」


仲間の野球部員達も、キュウちゃんに合わせて自転車を停めた。


「あ、俺風子と話しあるから、先に行ってて」


「なんだよ、彼女か!?」


野球部員達がキュウちゃんをからかう。


「うるせー!シッシ!」


キュウちゃんは野球部員達を追い払った。


野球部員達が行ったのを確認したキュウちゃんが、突然自転車を降りて、私の手を握りしめた。