【完】とわの風、青空の君。

「ん?何?」


「あのさ、俺転校するんだ」


キュウちゃんの口から出た言葉は、予想もしていなかった言葉だった。


「転校?え?いつ!?」


私は空を見上げるキュウちゃんの顔を慌てて見た。

だけど、すぐに見ることは出来なくなった。


キュウちゃんが上を向いていたのは、涙がこぼれないようにするためだったんだ。



キュウちゃんのそんな顔見たら、私も泣いちゃうよ・・・・・・。



私は下唇をかんで、こぼれそうになる涙を必死で堪えた。


「明日・・・試合が終わるまではってダダこねてたんだ」


キュウちゃんは困ったような顔をして笑った。


「しかもさ、転校先はアメリカなんだぜ?俺、将来メジャーリーガー?なんつって」


「・・・・・・」


「・・・・・・泣くなよ」


キュウちゃんが私を優しく抱きしめた。