【完】とわの風、青空の君。

次の日。

6時間目の終わりを告げるチャイムと同時に、全校放送が流れた。


『本日、県営球場で行われた野球部の試合は、2対1で、惜しくも2回戦敗退となりました』


「野球部負けたんだ」


「残念だったね」


その放送を聞き、教室中が野球部の敗戦を残念がっていた。

でも私は野球部なんかよりも、キュウちゃんのことが気にかかった。


キュウちゃんに会いたかった。



私は、戻ってくるかどうかも分からないキュウちゃんを、野球部のバックネット裏でひたすら待ち続けた。


キュウちゃんの寂しそうな微笑みが気になってしょうがなかった。


「キュウちゃん・・・・・・」


私はオレンジ色に染まる空を見上げながら呟いた。