【完】とわの風、青空の君。

「え!じゃあさ、俺撮ってよ!」


キュウちゃんは両手でVサインを作り、変な顔をした。


「ブッ!変な顔。ゴリラみたい」


「いいべいいべ!?撮って!」


「ダメ。私の好きな物しか撮っちゃダメなんだから」


「えー・・・・・・」


キュウちゃんは、私の言葉に唇を尖らせて拗ねて見せた。


「風子の好きなものってなんなの?」


「え・・・とろろうどん」


「はあ!?なんじゃそりゃ」


キュウちゃんは、私の答えを聞いてケタケタと笑った。

真剣に答えた私がバカみたい。

私はムッとほっぺを膨らませた。


「なあ、風子」


キュウちゃんが突然笑いを止めて、真剣な顔で私の名前を呼んだ。