「どうしよう・・・・・・」


私は悩んでいた。


一人取り残された写真部の部室。

人工的な蛍光灯の明かりが余計に私を空しくさせた。


右手に持ったシャープペンシルを、コツコツと机にあてる。

そして思いつくまま、ルーズリーフに力ないみみずのような文字を並べていく。


「とろろうどん・・・ああーっ!無理!」


私はルーズリーフに並べていた文字をグチャグチャっと真っ黒に塗りつぶした。


『好きな物を撮ればいいのに』


先輩に言われた言葉が頭に浮かんでくる。


「だって・・・パッとしないんだもん」


私は書いていたルーズリーフで紙飛行機を作り、部室の窓から暗闇の中へと放った。

紙飛行機は夜の生暖かい風に乗り、フワリ、フワリと暗闇の中へ消えていった。


「帰ろう・・・・・・」


私は電気をパチリと消して、部室を出た。