君の詩が色褪せても

愛里子の問いに律壱が答える。


「ドラマの主演もメンバーだしな」


「あんなチープなドラマに天宮優仁なんて勿体ないよな」


「確かにね」









「律壱くんは?」


「なに?」







「律壱くんは歌わないの?」








愛里子のあどけない質問。



でも、その言葉に他の2人は凍り付いた。




緊張した空気が甘い潮風を消し去る。




愛里子はその異様な空間の中で首を傾げた。






「おっ…オレは歌わないんだよ…」


いかにも作り笑いな律壱。




「そ…だよ。律壱は作曲専門だからな」


日和も何かに気を遣っているのが一目で分かる。





「そーなんだ。律壱くんの声キレイだから愛里子勘違いしてた」


愛里子は静かに手帳をたたむ。



「勘違い?」


日和の目を見る愛里子。



「律壱くんは歌う人のような気がしたの」





律壱は、目を伏せた。




「でも違ったんだね」






違わないよ…



勘違いじゃないよ愛里子―






律壱は昔歌ってた―





愛里子の無くした記憶の中に…




REACHが存在するのか?―