「似てたから、昔のあの詩に」
「……」
「だから懐かしく感じるメロディになった」
優しい顔で窓の向こうの遠い空を見ながら、律壱は話していた。
「ホント…懐かしいね」
愛里子が呟く。
「愛里子ちゃんもそう思ったの?」
「うん。懐かしかった」
微笑する愛里子は何故かいつもより大人っぽい表情を見せる。
「愛里子の無くした記憶の中に、こんな曲があったのかもな」
日和の言葉に、愛里子は秘密手帳を取出した。
「この曲が懐かしいって思ったこと、書いておくね」
「おっ、ありがとう愛里子ちゃん」
「曲の名前はないの?」
「…タイトルか」
考える人ポーズになる日和。
…君の歌う花言葉
…僕の知らぬ花言葉
「やっぱ、"花言葉"かな」
「"花言葉"ね♪」
愛里子がペンを滑らせる。
「まんまかな?」
「いいんじゃない日和らしくて」
律壱が温かい表情で頷く。
花言葉か…―
「ね〜ぇ、これは誰が歌うの?」
「CRYSTALっていう人気男性アイドルグループだよ」

