律壱も下唇の噛んで悩んでいる。



どうしたらいい?―




天才と呼ばれる男たちの頭は真っ白になっていた。





何を話せばいい?―












「妖精は気持ち悪い?」



愛里子の湿った声が2人の胸を貫く。



「愛里子が妖精だって、本当だって、分かったんだよね…」





「…愛里子」

呟きながら日和は振り返った。


そして、律壱も。




今にも泣きそうな瞳は真っ直ぐ日和を見つめていた。



「愛里子は…気持ち悪い?」


ピンクのワンピースが良く似合っている。

とても可愛い愛里子。




「気持ち悪くなんかないよ」

日和はキリリと言い切った。


「ホントに?」



愛里子…―


妖精…―



でも…


「妖精でも何でも、愛里子は愛里子だから」



ありきたりの台詞。

だけど日和の本心だった。



ただ―



戸惑っただけ―



「良かった」


愛里子は笑顔をみせた。





「でも困ったよな」

日和は腕組みしながら愛里子の方へと歩いた。


律壱も後を追う。




「愛里子の今度」


「今度?」